浅見仙作

目 次

                  [ 略歴 ]  [ 主要信仰著書 ]  [ 参考文献 ]

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  略 歴                  

    1868. 4. 8     新潟県北蒲原郡安田村大字千唐仁(せんとうじ)にて浅見松蔵・カネの長男として出生。

                家業は農業。

    1890.12       小島キセ子と結婚(のちに離婚)。

    1891.5        北海道へ移住。

    1893         石狩川の沿岸に5町歩の土地を得て開墾、5年後には50町歩の墾成地の地主となる。

                篠路村総代、学務委員、北海道農会篠路支会長、茨戸太郵便局長等の公職につく。

    1896.        石塚ヤスと結婚。

    1898.9        大洪水のため石狩川が氾濫、50町歩の墾成地を失う。

    1902. 7       札幌メソジスト教会で中田重治率いる福音伝道隊の牧師三谷種吉の説教を聞き、

                キリスト教に入信。

    1902. 11.2     札幌メソジスト教会で牧師高北三四郎より受洗。以後熱心に伝道活動に従事。

    1903. 4       斎藤新次郎と渡米、炭鉱夫・果樹栽培日雇・鉄道人夫などに従事。

    1904         カリフォルニア州ヴァカヴィルの日本人メソジスト教会で代理牧師として説教・伝道。

                日露戦争に対して絶対非戦の立場をとったため教会員から迫害をうける。

                このころ内村鑑三の『聖書之研究』を読み、その絶対非戦論に感激、内村の著書

                を熟読するとともに内村と手紙による交流を始める。

    1905. 4       ヴァカヴィルの日本人メソジスト教会を脱退。

    1907..1       帰国。ただちに内村鑑三を訪問、約半か月間内村宅に滞在。

    1908         北海道厚田郡厚田村大字聚富(しゅっぷ)村の丘陵地(浅見は「シオンの丘」と呼んだ。)

                に移り、開墾に従事するとともに独立伝道に励み、クリスチャン集落を形成。

    1917         石狩町の日本麻糸(後の、帝国麻糸)会社製線工場で耕作係主任として7年間勤務。

    1925         骨折の大怪我をし農業の激務に耐えられなくなったため五ノ沢を去る。

                札幌市北1条10丁目1番地において浴場業を経営(1939年12月頃まで)、ここを根拠地として

                北海道各地への独立伝道活動を開始する。

    1931.7       『喜の音(よろこびのおとづれ)』誌を創刊。(当時64歳)

    1937. 10      『喜の音』(10月15日発行第77号)が日支事件に関する筆禍事件のため発売禁止となる。

                その後、札幌警察署呼び出し6回・憲兵隊呼び出し2回・検事局召喚3回あり、新聞紙法違反で

                罰金50円を課される。

    1937.12.10    『喜の音』を廃刊。

    1937.12.25    『純福音』誌を発刊。

    1941.10       『純福音』、廃刊処分となる。

    1942.6       『雪の下より』(私製ハガキ通信)発刊。

    1943. 7. 21    教会信者の密告が動機となり札幌警察署特高課による取調べを受ける。

                (同署地下室の監房に泊まらされるが、翌日夜一旦帰宅。)

    1943. 7. 28    札幌警察署特高課より召喚状が来る。

    1943. 7. 30    札幌警察署特高課に出頭。取調べ後、同署地下監房に留置される。(当時76歳)

                『雪の下より』、廃刊。

    1943. 8. 2     3日間地下監房に放置され、4日目から特高課刑事部長による取調べが始まる。

    1944. 1. 12     訊問調書作成終了。

    1944.1.28     札幌地方裁判所検事局へ送局。

    1944. 2. 5      検事の取調べが始まる。

    1944. 2. 7      検事の取調べ終了。

    1944. 2. 8      札幌刑務所大通支所の未決監の独房に収容される。

    1944. 2. 22     高血圧のため危険な状態になり、また、前日は食中毒のため胃痙攣を起こし

                激しい腹痛に襲われたため保釈となる。

    1944.4.6      治安維持法第7条及び第8条違反により起訴される。

    1944. 5.7      5月10日公判開廷の通知を受ける。(浅見は、9日に家人からその知らせを受ける。)

    1944.5.9     弁護士を頼む時間的余裕なく、官選弁護人に挨拶しただけで公判に臨む。

    1944. 5. 10    札幌地方裁判所で公判開廷。

    1944. 5. 19    懲役3年の実刑判決を受け、即日大審院に対して上告手続きをとる。

               (治安維持法第33条により控訴が許されなかったので、直ちに上告。)

    1944.5       大審院にて、三宅正太郎裁判長係りで事実審理に付する旨の言渡しがなされる。

    1944. 6. 23    第一審裁判所から記録書類到着した、との通知を大審院から受ける。

    1944. 7. 24    上告趣意書提出

    1944. 9. 22    第1回公判。浅見自身に出頭の要なく、弁護人に対して簡単な2,3の訊問があった

                だけで、10月6日に判決言渡しと決まる。

                (判決言渡しは10月24日へ延期となり、更に11月10日へ延期される。)

    1944.11.10     大審院にて、事件は再審理の必要ありと宣告される。

    1945.2.21     三宅正太郎裁判長が書記を伴い札幌まで出張、札幌控訴院応接室で浅見を訊問、

                さらに証人:斉藤新次郎・石川仲伊の陳述を聴く。

                また、押収されていた浅見関係の大量の書類を東京へ運び綿密に検討。

    1945. 3. 30    大審院公判。午前、被告人訊問。午後、証人(石原謙・塚本虎二)訊問。

                (矢内原忠雄・藤林益三等傍聴。)

    1945. 6. 12    大審院にて「原判決を破毀す。被告人は無罪」の判決。

    1947. 1       『純福音』復刊。(当時79歳)

    1950. 12      札幌刑務所死大通拘置支所で民間奉仕者として死刑囚へ伝道(翌年夏まで)。

    1952. 10. 3    琴似町で死去、84才6ヶ月。

    1952. 11      遺著『小十字架』(待晨堂書店)出版。

    1953.1       『純福音』、第69号をもって終刊。

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 主要信仰著書

                『小十字架』. 待晨堂書店. 1952.

 

 参考文献          

                『金澤常雄著作選集(第3巻)』.金澤常雄著作選集刊行会 発行.1958.

                    「浅見仙作翁逝く」(234~244)

                『土着と背教』. 武田清子 著. 新教出版社. 1967.

                    「浅見仙作の平和思想」(325~358頁)

                    資料 戦時下無教会主義者の証言』. オカノユキオ 編. キリスト教夜間講座出版部. 1973.

                    「浅見仙作集」(1~28頁)

                『キリストの証人たち 抵抗に生きる 2 』. 日本基督教団出版局. 1974.

                    「浅見仙作」(191~260頁、著者:田村光三)

                    『内村鑑三の末裔たち』. 稲垣真美 著. 朝日新聞社. 1976.

                    「小十字架のもとに ―札幌・浅見仙作とその後裔 」(56~104頁)

                    『無教会キリスト教信仰を生きた人びと ―内村鑑三の系譜 』. 無教会史研究会 編. 新地書房. 1984.

                    「浅見仙作 ―非戦平和を貫いた農民伝道者― 」(1~70頁、著者:田村光三)

                    『ただ十字架を仰ぐ―浅見仙作三〇周年記念文集―』. 浅見仙作三〇周年記念文集刊行会 編集. 浅見ユキ. 1986.

                    福音と平和の証人 浅見仙作』. 田村光三 著. シャローム図書. 1996.

                   『無教会史(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ)』. 無教会史研究会 編. 新教出版社. 1991~2002.

 

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